J.YOSHIDA CLINIC

No.7ほうれい線、たるみの治療
(後編)

こんにちは。
J.YOSHIDA CLINICの吉田です。

前回の続きです。

3)の肌を縮める方法、そんな方法があるのか?という感じですが、切らずに縮める方法…それは「焼く」ということです。

焼肉で肉を焼くと縮みますよね?肉のタンパク質が熱で変性して縮む(凝固する)わけですが、同じタンパク質である皮膚のコラーゲンも熱を加えると縮みます。ちなみにコラーゲンが縮み始める温度はおおよそ60℃です。

これを利用したのがいわゆる「ラジオ波(RF)」と呼ばれる電磁波の一種を皮膚に作用させる美容機器です。電磁波という波動を物質に伝えて、その物質の分子を振動させて熱を発生させます。電子レンジと同じ原理です。

皮膚に作用させるRF機器では、コラーゲンの凝固を狙ってだいたい60~80℃くらいの温度が発生するようになっています。これでコラーゲンが縮んで肌が縮むため、切らずにリフトアップが可能となるわけです。

しかし、この60~80℃というのは細胞にとっては業火で焼かれているようなものです。コラーゲンは縮むかもしれませんがその付近の細胞も死滅することになります。なので私はこのRF治療を肌の「野焼き」だと思っています。

RF治療のイメージ

凝固して縮んだコラーゲンは体にとってはもはや異物ですので、徐々に分解吸収されていきます。そのため、効果の持続期間は数ヵ月から1年程度ということになります。効果を持続させるために数ヵ月ごとに繰り返すことを勧めている施設もあるようですが、そんなに「野焼き」を繰り返して(リフトアップはするかもしれませんが)果たして本当に肌に良いのでしょうか?

肌の組織を変性させると「修復されて新しくなる、若返る」と書いてあるサイトが多いのですが、この場合の修復というのは「質の劣るものによる置き換え」であって、復元(正しい意味での再生)や改善(本当の意味での若返り)ではありません。

もっと重要なのは、その修復を担っているのは「野焼き」で死滅し減っていく細胞だということです。結論として、肌の変性ダメージは何度も繰り返すべきではない、というのが私の持論です。

それから、熱が発生するわけですから高温になりすぎてヤケドを生じるリスクがあります。ただ、最近の機器は温度が上がり過ぎないような設計になっているようなので、ヤケドに対する安全性は一応確保されていると考えて良いと思います。

最後の4)肌のハリを回復する方法とは、細胞に自発的にコラーゲンを作らせて肌の真皮をシャキッとさせる方法です。靭帯がゆるんでいても、肌自体にハリが出ることでたるみやほうれい線はかなり目立たなくなります。

広い意味ではFGF単独注入やPRPも含まれますが、これらは細胞の自律性を奪ったり炎症反応を引き起こすことによるコラーゲン合成なので、真皮本来のコラーゲンを合成しているとは言い難いものがあります。トラブルが起きたり持続期間が短いのもこういった理由からだと思います。

細胞のみを使った細胞移植を行い、細胞同士のコミュニケーションを保った状態で、かつ炎症反応を起こさないようにして自然にコラーゲン合成をさせることが、唯一本当の意味での肌の復元や改善が期待できる方法です。その一番の根拠は効果の持続期間と表皮の変化だと言えます。このあたりの話は当院ウェブサイトにも書いてあるので省略します。

以上がたるみやほうれい線に対する主な治療法です。それぞれ一長一短があるとは思いますが、私が4)の治療を気に入って、その治療専門のクリニックを作った理由がちょっとお分かりいただけたでしょうか? (^_^)

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