こんにちは。
J.YOSHIDA CLINICの吉田です。
先週開催したセミナーの準備に手間取ってしまって、かなりご無沙汰してしまいました。これからまたジョジョに更新していきますので、どうかよろしくお願いいたします。
さて、私はそのセミナーの中で若い肌を維持するために、あるいは若い肌を回復するために必要なことをお話しました。必要なこと、というよりも必要な状態、と言うべきかもしれません。細胞とコラーゲンの関係のあり方についてです。
私はこれを勝手に「細胞×コラーゲン共同体」と命名しました。
簡単に説明すると、線維芽細胞が複数の真皮コラーゲンにしっかりとくっついている状態のことを指します。しかも細胞は老化の進んだものではなく、ちゃんと働ける元気な細胞です。コラーゲンもスカスカでちぎれているものではなく、たくさんの十分な長さのあるコラーゲンが、緻密で立体的な網目構造になっている必要があります。(イメージ図では十分に表現しきれていませんが…)
この構造がしっかり形作られれば、肌は成長することができますし、生きた細胞によって(あなたが何もしなくても)コラーゲンが自動的にメンテナンスされ、しなやかさと美しさをキープできるようになります。
逆に、いくら細胞が元気でもコラーゲンがボロボロで細胞がくっつけないとか、コラーゲンはできているけれども細胞が老化している、という場合は自動キープはできず、早々に肌は衰えていきます。
この後者に関連した話ですが、昨今の美容医療の「コラーゲンがたくさんできれば肌は若返る」的な宣伝文句は間違いです。肌を傷つけ、焼くことによって、確かにコラーゲンが増える場合もあるでしょうが、そのような「修羅場」を経験した細胞は果たして施術前と同等以上でいられるでしょうか。
肌へダメージを加えると身体(細胞)がキズを治そうとする仕組みが働きます。これを創傷治癒と言います。創傷治癒で得られるコラーゲンは、キズで失われたコラーゲンがより立派になって蘇るわけではありません。代替品のコラーゲンに置き換わるだけです。そして創傷治癒に携わった細胞は、最終的に増えるのではなく、むしろ老化し消費されるということを知っておくべきだと思います。
真の肌の若返りを目指すのであればコラーゲンが増えさえすれば良い、というわけではありません。また、細胞の数を増やせばあとはうまくいく、というわけでもありません。必要なのはその両者の共同体です。両者の機能的な結合状態です。
そう考えるとアンチエイジングの方法として、肌を一旦壊す、あるいは単純に細胞分裂を促進する、といった従来の美容医療の考え方は、方向性というか方法論として間違っているように私は思うのです。